名は体をあらわす、と言うけど、このふざけたタイトルからどんなストーリーが想像出来るだろうか? 果たして、名は見事に体を表していて、宮藤官九郎の無尽蔵なイマジネーション(イリュージョン?)にあらためて感服。毎度の小ネタも豊富で脱線しまくりなのに、ロック・シンガーの父子をめぐる歪んだエディプス・コンプレックスの生んだ悲劇を、戦争にまつわる出自を持つサイボーグの存在価値と絡め、爆笑の中にも意外な程しっかりとした輪郭で描き出していて、更なる作風の広がりを感じた。 阿部サダヲのハイ・テンションなキレぶりは、もはや言うには及ばないけれど、森山未來も切れ味抜群の身体能力を余すところなく披露し小気味よい。サイボーグ役の松田龍平に対をなす偽サイボーグ役の片桐はいりの、ナチュラル・ボーン・サイボーグぶりが可笑しい。常連組出演者も含めて周辺の人材に実り多し。劇中生演奏はこれまでの宮藤作品でも見られたが、ロック・オペラを名乗る今回はステルス・スクリーン映像も随所に絡めて、視聴覚的にも堂々たるものだった。作・演出:宮藤官九郎、出演:阿部サダヲ 森山未來 松田龍平 片桐はいり、他。(増井志乃)
2009.5.21.update

