『ドリームガールズ』がデトロイト発の〈モータウンレコード〉をモデルにしたライズ&フォール・ストーリーであったが、今作はモデルではなく、シカゴ発のブルース・レーベル〈チェス〉のサクセス・ストーリーを実名で展開。
レーベル設立者で社長のレナード・チェスをエイドリアン・ブロディが、マディ・ウォーターズをジェフリー・ライトが、エタ・ジェイムスをビヨンセ・ノウルズが、チヤック・ベリーをモス・デフが、リトル・ウォーターをコロンバス・ショートがそれぞれ演じている。
白人のチェスが、黒人客相手のライヴ・バーを始めて、その延長でレコード・レーベルをスタート。店を自分で燃やして保険金でレコーディング・スタジオ&オフィスを構える。
レコードのプロモーションとして絶対的なメディアだったラジオで、曲をかけてもらうためにレコード会社は、ウィスキーをDJに持っていっている状況の中、禁止とされていた現金を渡し曲をかけてもらう。
で、マディ・ウォーターズの曲は大ヒットと、ちゃんと暗部も描いているところが興味深いところ。
裏返せば、チェスは、誰もやらなかったことの隙間を突いて、成功したヴェンチャーであったことが伝わる。
が、時代は移り変わり、チャック・ベリーの登場で、ブルースからロックンロールの誕生へ。
胸躍りシーンがあった。客席が白人、黒人とロープで分けられ、それぞれ踊ってベリーのステージの楽しみコンサート。
途中、熱狂した白人女性がステージに上がり、ロープを越え、白人黒人がいっしょに踊るシーン。
こういう音楽のマジックを印象的に見せるところに、気持ちは舞い上がる。
すっかりジェニファー・ハドソンに食われてしまった『ドリームガールズ』の雪辱を果たすべく(?)、ドラッグに塗れ、娼婦の娘で超性格悪いエタ・ジェイムス役を、ビヨンセがいい演技で見せていたのも、見どころ。(山崎二郎)
2009.7.14.update

