自身の十八番ネタを3本一気に観せる会を企てた春風亭昇太、その第一回のテーマは「動」。ただでさえ動きの多いパフォーマンスの中でも選りすぐったネタを古典(「時そば」「茶の湯」)、新作(「花粉寿司」)合わせて三席収録。
中でも「花粉寿司」では6種のアングル画像を同時に観られるマルチ・アングル収録が選択出来たりと、高座のヴィジュアルとしては画期的なDVDならでは のサーヴィス満載。花粉症で具合の悪い板さんが寝そべって握りを出す件りのアクションの馬鹿馬鹿しさが、六倍に増幅されて爆笑。横からのアングルも選択 可、舞台袖から観ているような臨場感は橘蓮二氏の噺家の写真のように高座姿の格好よさを切り取っていて、意外にも好企画。
特典映像では一転、お城好きの趣味が高じてこの春には本まで出すことになった昇太師匠が中世城郭を案内する「昇太のお城めぐり」がいきなり収録されてい る。素人目には何もない野山や草ボウボウの藪も、昇太師匠の脳内ヴィジュアルに案内されて眺めれば当時の情景に息が吹き込まれ生き生きとしたものに見えて くるから不思議だ。このイマジネーションの豊かさから破天荒な新作落語も生まれるのか、と妙に納得。
いつでも誰にでも落語の世界への門戸をパカッと開いてウェルカムしてくれている昇太師匠。まだ扉を開いたことのない皆さんは是非ここからお入りください。(増井志乃)
2011.3.08.update

