96ページの総力特集I 松任谷由実
「もどらない季節の速さで ゆっくりと走ろう」
ユーミンといえば、ラヴ・ソング。
が、それは「切ない感覚」を想起させるアイテムでもある。
言葉では表せない、無理に言葉にすると本質からズレてしまう質感、匂い、何か。
それは、自分の無意識下のドアをも開ける。
近作のアルバムでは、そこに、時間という縦軸も織り込み、
喪失感では括れない感情を呼び起こさせる。
その上では、「そしてもう一度夢見るだろう」と。
この「もう一度」な感覚にインスパイアされた。
失ったものを認めた上でのポジティヴィティ。
〈ひとはみんな長い旅の途中 琥珀色の時を求め〉
〈終りは次の始まり 昔から言われてるじゃありませんか〉
リリックは、メロディは、サウンドは、しかとROCKする。
ユーミンのアンテナにはどんなものが引っかかり、レーダーの針は、何に触れているのだろう? その「感じ方」に触れてみたいと思った。
1.09年のロング・インタヴュー
2. 01年のインタヴューを再録
3.ムッシュかまやつ×松任谷由実、97年の対談を再録
4.横山 剣(クレイジーケンバンド)×松任谷由実、06年の対談を再録
5.工藤公康(横浜ベイスターズ)、辻 仁成、冨田恵一、ムッシュかまやつ、横山 剣(クレイジーケンバンド)、吉井和哉が、松任谷由実の魅力を語る
39ページの総力特集Ⅱ 吉井和哉
「今のイメージ頼りに 震えるプラン的確に」
ここ数年、作品で言えば、アルバム『39108』(06年)、『Hummingbird in Forest of Space』(07年)、吉井和哉の自然な佇まいが素敵だと感じている。「ロック・スター」という表現がこれほど似合うミュージシャンはいないのだが、「キメめている感じ」から、どんどん逸脱して行っているように感じるのだ。それは、自然にではなく、意志を持ってチェンジしているように、楽曲からも感じた。ついには、昨年からは、マネージメント・オフィスも本人独りだけ、窓口は所属レコード会社という究極のシンプルさ、「個」になっている。
レコーディングも、独りでLAに行き、現地のミュージシャンと作り上げてくる。出来上がった曲も、分かりやすい言葉で綴られている。ライヴのMCでも、サーヴィス過剰的なぶっちゃけさ。当然、彼が在籍していたバンド、THE YELLOW MONKEY時代からのファンの中には、戸惑う方もいることだろう。
このあえて脇を甘くしている感じから、逆にカッコよさが滲み出てくる。40歳を手前にしてのシフト・チェンジ。それはリスクがあり、挑戦感溢れる行動だ。新作『VOLT』を発表。六月からスタートする全国コンサート・ツアーを前に、納品されたばかりの新車を自ら運転して、吉井和哉は横浜に到着した。
他、登場するのは
紀里谷和明(18ページ)
工藤公康(横浜ベイスターズ)(18ページ)
辻 仁成(8ページ)
冨田恵一(12ページ)
ムッシュかまやつ(16ページ)
横山 剣 a.k.a. crazyken(クレイジーケンバンド)(10ページ)